救援・支援は行政の原点だ 奏功した熊本地震への対応

2026年08月28日

 熊本地震への対応として農水省はパン3万個、水・スポーツドリンク5万8千本、乳児用液体ミルク900本などの配送を手始めにさまざまな『食料のプッシュ型支援』を展開した(鈴木憲和農相、7月31日会見時点)。また政府対策本部で指揮するため三野敏克

 熊本地震への対応として農水省はパン3万個、水・スポーツドリンク5万8千本、乳児用液体ミルク900本などの配送を手始めにさまざまな『食料のプッシュ型支援』を展開した(鈴木憲和農相、7月31日会見時点)。また政府対策本部で指揮するため三野敏克官房審議官ら5人を派遣。九州農政局、農業土木、森林管理、漁業調整部隊、それに近隣地方農政局からの総勢1500人が現在も救援・支援に当たっている。


 一昨年の能登地震では半島全体、被害は広域に及び、10年前の熊本地震でも面的な広がりがあった。しかし今回は震度7でも被災地域は県南部に集中した。


 発生直後から大きな問題になったのは水。酷暑の下、被災者、救援者とも難渋を強いられた。真夏の大地震は未曽有の経験でペットボトルが大量に全国各地から届いたが、困ったのは生活用水である。風呂・シャワーが使えず、洗濯用水も絶たれ、深刻化した。


 小中学校はほぼ耐震化されていて、被害はほとんどなかった。しかし体育館でエアコンが整備されているのは2割程度。避難者は教室に簡易ベッドを入れて就寝した。「エアコンはもはや贅沢(ぜいたく)品ではなく生活必需品」(同省筋)。行政レベルで認識を改めなければならない。


 被害者の感情には複雑さが見え隠れする。被災住民は今回の地震を含め〝五重苦〟と嘆く。10年前と今回の大地震、昨年と2020年の豪雨水害、それにコロナ禍である。政府は地元と被災者に寄り添って対策を講じるとしているが、過去の被災対策を超えて…となると行政的にはハードルが高くなる。投げてきそうな高い球に政治はどう対応するか。


 被災者への救援・支援こそ「行政の原点」である。なんでもない些細(ささい)なことにも〝ありがとう〟ということばに胸を打たれた。旧盆の一日、くまモンがやって来ると子どもたちから途轍(とてつ)もなく元気な歓声が上がった。早急な復旧を心から祈念する。

有料会員に登録すると会員限定の有料記事もお読みいただけます