農地と太陽光発電の共存について考える④ 弁護士・岩崎紗矢佳
一つの営農型太陽光発電を行うとき登場人物は3者いる。太陽光発電設備を設置する農地の所有者、太陽光パネルの下の農地の営農者、発電設備の設置(発電)者である。この3者が同一でも全て異なっても営農型太陽光発電は成り立ち、その類型は大きく三つに分
一つの営農型太陽光発電を行うとき登場人物は3者いる。太陽光発電設備を設置する農地の所有者、太陽光パネルの下の農地の営農者、発電設備の設置(発電)者である。この3者が同一でも全て異なっても営農型太陽光発電は成り立ち、その類型は大きく三つに分かれる。
農地所有者が自らの農地に発電設備を設置し、パネル下で農業を継続しつつ売電などをするA類型。農地所有者がそのまま営農を続けるが設備設置は別の主体が行うB類型。農地所有者は所有を継続するものの営農と設備設置の両方を別の主体が行うC類型。Cは、さらに営農と設備設置の主体が同じ場合と別の場合との二つに分かれる。
Aは、意欲的な農業法人などが既存の農業生産をベースにさらに売電収入で収益性を高めたりエネルギー自給をめざしたりするなど、営農型太陽光発電で農業者の所得向上を想定する場合のモデル類型といえよう。
Bは、農地所有者が営農を続けつつ別主体が設備を設置し発電するので、売電収入が直接に農地所有者兼営農者の収入になるわけではない。ただし、設備設置のため支柱部分および農地の上部空間を設置者に利用させるのでその対価が収入となるほか、設備設置による農作業効率低下を補うなどの趣旨で設置者から営農者に対し売電収入を原資とする協力金などが支払われることがある。所有者兼営農者は、売電収入はないが農業生産の他に利用対価・協力金という収入を得る。
Cも、設備設置部分を設置者に、農地を営農者に利用させるためその対価が農地所有者の収入となる。また、実態としてはCのうち設置と営農が別主体、かつ営農者は地元農業者となるものが多いだろう。その農地での農業生産と協力金が営農者の収入となる。BCは、農地所有者と営農者に売電収入はないが設備設置資金も不要、売電収入より少ないが農地所有者や地元農業者の収入増が期待できる。ただ、Cは農地管理が困難な所有者がそれを手放せる点で不適切事例が入り込む余地が生まれるのである。








