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ダイズの生育障害発生を予測するAIモデル開発 開花後の高温が障害発生リスク高める

2026年04月24日
     
裂皮粒(農研機構提供)
青立ち株(左)は茎や葉が枯れずに残っている(農研機構提供)
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 農研機構(茨城県つくば市)は今年3月、ダイズの生育中の環境条件から、「青立ち」と「裂皮粒」の発生リスクを予測するAIモデルを開発したと発表した。

 青立ちは、(さや)が熟しても茎や葉が枯れずに残る生育障害。茎や葉に水分が多く残るため、コ

 

 農研機構(茨城県つくば市)は今年3月、ダイズの生育中の環境条件から、「青立ち」と「裂皮粒」の発生リスクを予測するAIモデルを開発したと発表した。

 青立ちは、(さや)が熟しても茎や葉が枯れずに残る生育障害。茎や葉に水分が多く残るため、コンバインでの収穫時に回転部に巻き付きやすく故障の原因となる。また茎や葉がつぶされて出た汁が実を汚し、品質低下を招く。

 実の表皮が部分的に裂ける裂皮粒は、裂けた箇所から成分が流出するだけでなく、酸化が進んだりカビや菌が繁殖したりする危険がある。これらの障害が発生する仕組みや全国的な傾向は、十分解明されていなかった。

 農研機構は、秋田県大仙市、茨城県つくばみらい市、香川県善通寺市、熊本県合志市の試験圃場で蓄積されてきた2008年から23年までの16年分・約500事例の生育データや気象データ、土壌水分データを活用。AIがデータの中からパターンや法則を見つけ出す「機械学習」技術を使い、青立ちや裂皮粒の起こりやすさを0から5の予測スコアで評価するモデルを開発した。

 検証の対象品種は、エンレイ、フクユタカ、リュウホウ、サチユタカ、里のほほえみとした。

 モデルによる解析の結果、青立ちは開花後51~60日目の間の平均気温がおおむね23度を超える場合、裂皮粒は開花後21~30日目の間の平均気温がおおむね26度を超える場合に発生しやすくなることが判明した。

 農研機構は、モデルの予測精度を高めるべく改良を進める。また、今後想定される将来の気候条件(気温上昇など)にもモデルを応用し、障害発生リスク予測や有効な対応策について検討を進めている。

 生産者などが播種の時期や育てる品種を、その年の環境条件に合わせて決定できるようになれば、安定した大豆生産の実現につながると期待される。

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