大学生の頃、世田谷の馬事(こう)(えん)にあったTSUTAYAで、玉村豊男さんの『田園の快楽』に出会った。その頃の私はすでに、「田んぼは、お米をつくるためだけの場所ではない」と、どこかで感じていた。


 田んぼには、水があり、風があり、た

 9月、収穫の季節だ。しかしこの原稿を書く手が重い。


 お盆の最中、千葉県を未曾有の豪雨が襲った。線状降水帯が発生し、想定をはるかに超える被害となった。

 農家仲間のライスセンター、大型機械、収穫期目前の水稲や大豆が泥水に飲み込まれた。1年をか

 収穫は節目です。しかし、「今年もできた!」と喜んで終わりではありません。育てたにんにくをどう生かし、どんな商品に変えて、誰に届けるか。私はそれを「畑の先にある仕事」と呼んでいます。

 新商品「梅カツオにんにく」の始まりは、海外バイヤーからの

 この夏、北海道を旅した。アイヌの人々が大切に守り続けてきた森を歩き、ウポポイでは祈りの歌と踊りの響きに包まれた。縄文の遺跡に立ち、こんこんと湧き続ける水に触れた。深い森が雨を受け止め、その水をゆっくりと大地に蓄え、命を育む。その営みは、人

 8月。稲が、葉や茎から穂へと全てを注ぎ込む時期に入った。期待と不安が交錯する。


 期待は、粛々と積み上げてきた管理作業の答えがいよいよ出ること。不安は天候や台風もさることながら、作物が適期に良い状態で収穫されるかどうかだ。


 昨年の収穫が終わ

作って卸して終わりではない


 6月上旬、東京都内のスーパーで試食販売会を行いました。当日は、鹿児島県産にんにくを使った焼き肉のたれやにんにく調味料などの商品を店頭で紹介しました。私が今でも店頭に立ち続ける理由は、商品を直接お客さまに伝えられる


 田植えが終わった6月。ひと段落して一息つきたいところであるが、自然栽培の田んぼ作業として最も忙しいシーズンの到来である。それというのも、中耕除草が始まるからである。


 中耕除草とは、田植え後に条間の表土を耕すこと。雑草を減らし、土を耕すこと

 先日、代官山にて「宮沢賢治の詩とウェルビーイング――『ほんとうのさいわい』を問う」と題した朗読会に参加した。心に残ったのは、「ほんとうのさいわいとは何だろう」という問いと、賢治が描く「青」。その余韻を抱えたまま田んぼに立った。ちょうど今年

 7月。今年はスーパーエルニーニョの発生が予測されているという。


 2019年9月のことを思い出すと、背筋に冷たいものが走る。「令和元年房総半島台風」と命名された台風15号により、格納ハウスを含む7棟が、一晩で全壊した。


 米づくりは、年にたっ

乾燥が重要

 農園では、にんにくの収穫と収穫後の下処理作業が続いています。

 にんにくは畑から抜いて終わりではありません。根を切り、葉や茎を落とし、そこから乾燥の作業に入ります。

 新にんにくは水分を多く含むため、そのままでは長く保存できません。

親子連れがたくさん 

 白雪牧場には月に1回、たくさんの親子がやってくる。週末に開いている「里のようちえん」である。白雪牧場の原っぱで遊んだり、里のさまざまな暮らしを体験するプログラムとして、森のようちえん「まめでっぽう」の協力の下、2023

 先日、友人が「スローライフなのかどうか少々疑問」と書いていた。ニシンのサンショウ漬けや紅しょうがづくり。季節の恵みを追いかけるような暮らしの投稿に、思わずくすっと笑いうなずいてしまった。

 わが家も同じ。田植えも半ばを過ぎたころ。里山にも目

 6月、田植えが終わる。あの息をのむ忙しさが(うそ)のように、田面に静寂が戻る。とはいえ農家に休息などというものはなく、初期除草に水管理、畦畔の草刈りと、地味だが決して手を抜けない作業が続く。水1㌢の差が収量を左右する。この季節の農家は、

収穫のピーク

 にんにくの収穫は毎年4月から5月にかけて行います。今年もその季節がやってきました。鹿児島の畑では今、収穫のピークを迎え、朝から晩まで土と向き合う忙しい日々が続いています。昨年10月に植えたにんにくは、冬の寒さに耐え、春の暖かさ

アルペンルート走ったトロバス

 みなさんはトロリーバスをご存じであろうか。ほとんどなじみの無い乗り物と思うが、架線から電気を受けて走る電気バスのことである。

 農園のある立山のアルペンルートでは、山中を通るトンネル区間で、日本で唯一のトロリーバ