前回、生産者からの「雇用するなら仕事を作らないといけない」という言葉に引っ掛かったという話をしました。農業は、季節による繁閑の差が大きく、冬になれば農作業そのものが少なくなり、仕事がない時期もあります。雇用していたらそんな時どうするのか、

 皆さん、ハインリッヒの法則をご存じでしょうか。労働災害の分野で最もよく知られている事故の発生確率に関する法則です。2024年、農作業中死亡事故数は287人でした。


 死亡事故というのは、もっとも悲しい事故で、これ以上のものはありません。この

 前回書いたように、農業経営において、何とか社労士としてかかわれないかと考え始めて、最初に取り組んだことが「労災加入」を勧めることでした。


 労災保険制度を農業者に勧めるには二つのアプローチがありました。①雇用しているところに向けての通常の労

 1995年(平成7)3月末、大学を卒業した6日後、父が他界し、家業であった「集荷業」を継ぐこととなりました。


 地元(京都市南区上鳥羽)の農家が作る野菜を集めて、市場に出荷するという仕事で、業務といえば地元の農家まわり、卸売市場との橋渡しと

 福島県南会津の「会津よつば農業協同組合南郷トマト生産組合」では、産地全体でJGAP団体認証を取得しました。南郷トマトは、標高の高い中山間地域の気候を生かし、60年以上にわたり栽培されてきた地域ブランドです。

 同組合では、以前から生産マニュ

 福島県只見町の (同) ねっかは、過疎化の進む地域で、稲作の維持や特産品開発に向き合い、農業と酒造りに取り組む中で、JGAPを管理基盤として活用しています。

 耕作放棄地が増える中、周囲の水田管理を担うケースが増え、現在では5軒の農家が町内

 茨城県境町で水稲や麦、ソバを栽培する㈱光ファームでは、JGAPを人材育成に活用しています。地域の農地を守ることを理念に規模拡大を進め、現在は延べ146㌶を社員8人で管理しています。

 正社員の雇用を始めた当初は、多くが農業未経験者であったこ

 茨城県坂東市でニンジンを生産するフクトモ㈱坂東農場では、JGAPを活用した農場管理に取り組み、販路拡大につなげています。かつては、「GAPは農家の敵」と感じていたといいます。「畑を知らない人が書類ばかり求める」。そうした印象を持っていたか

 JGAPに関心はあっても、「何から始めればよいのか分からない」「取得までが大変そう」と感じている方は少なくありません。実際には、最初から完璧な農場を求めるものではなく、自分の農場を見直し、改善を積み重ねていくことが基本になります。

 まずは

 近年の農業は、良い農産物を作るだけでは成り立たなくなっています。食品安全は当然のこと、環境保全、労働安全、人権の尊重など、農場には多岐にわたる対応が求められています。さらに、企業調達の場面では、国際的なサステナビリティ基準への対応も重要に

〇農地・農業における民事信託の活用


~農地所有適格法人を設立して信託という方法も~

 最終回となる本稿では、農地および農業において民事信託がどのように活用できるかを検討します。

 農地の所有権移転登記を行うためには、農地法所定の許可もしくは届出が

民事信託と相続・遺言の比較

 成年後見制度以外の財産管理、資産承継方法と民事信託制度の対比をします。

 最もシンプルで確実な資産承継手段は贈与です。売買で所有権移転することもありますが、本稿では、親族内承継として多く行われる贈与と対比して検討し

〇民事信託と成年後見制度の相違点


 前回、成年後見制度は、裁判所の関与が大きく、民事信託は、当事者の契約に基づくので、裁判所の関与が極めて少ないという説明をしました。

 さらに重要な相違点を説明します。成年後見制度は、被後見人等の全財産を対象と

 不動産以外の財産での民事信託活用としては、株式の信託も考えられます。

 上場株は、証券会社に預託しますが、野村証券や大和証券など大手証券会社は、民事信託に対応した口座開設を行っています。

 会社の経営を行っている場合、その会社の株式いわゆる自

 自宅のみを信託財産にする事例について具体的に少し詳しく説明します。

 例えば父親、長男、二男の家族構成で実家は栃木県内にあり父親が独居をしており、長男は、実家の近くに家を建て、二男は、東京に住んでいるケースを考えます。

 父親に何かあった場合