【ある百姓の村づくり】 田んぼと語る 白雪農園・エコビレッジ立山村 坂口創作氏


田植えが終わった6月。ひと段落して一息つきたいところであるが、自然栽培の田んぼ作業として最も忙しいシーズンの到来である。それというのも、中耕除草が始まるからである。
中耕除草とは、田植え後に条間の表土を耕すこと。雑草を減らし、土を耕すこと
田植えが終わった6月。ひと段落して一息つきたいところであるが、自然栽培の田んぼ作業として最も忙しいシーズンの到来である。それというのも、中耕除草が始まるからである。
中耕除草とは、田植え後に条間の表土を耕すこと。雑草を減らし、土を耕すことでメタンガスを抜きつつ空気を取り入れ、根の発育がよくなる。さらに、土中の栄養素を攪拌し、光合成細菌の働きを良くすることで稲に栄養も供給する。除草剤や肥料を使わない自然栽培の米づくりにおいては、秋の収穫量を左右する最も大事な作業となる。
白雪農園では、10枚ほどの田んぼを管理しているが、田植えから中干しまでの間となる6月に、1カ月間ほど毎日田んぼに入って、中耕除草を行う。実際の作業としては、5条幅のエンジン除草機を押しながら、1日3反ほどの面積を2時間ほど歩き回る。田んぼに足を取られつつ歩くのは、泥だらけとなり、体力的には最も大変なものである。
一方、田んぼをくまなく歩くことは、稲たちの生育や田んぼを観察できる格好の作業でもある。力強さ、分げつ数、雑草の生え方、水温、泥の具合、虫や鳥といった生き物など、田んぼの状態が体感として入ってくる。
返事が返ってくることはないが、状態を受けて「いいね。元気だね」「病気に負けないようがんばろう」とか、心の中で語りかけることも。まさに田んぼと「語る」ひとときが中耕除草である。
さて、2026年も無事に合計3回の中耕除草を終了。これから水管理作業はあるものの、稚苗から大きく成長して、あとは稲たちにほとんどお任せできるところまで来た。田植えから1カ月、中干しが始まる夏の訪れを前にして、ようやく一息ついている。
◇次回は9月18日付








