Home

連載

広がる日本農業技術検定③ 専門知識の補強と修得の証しに 日本大学など3大学

2026年04月24日

 日本農業技術検定を主催する日本農業技術検定協会は、全国段階の農業教育機関など14団体で構成されている。大学農場のネットワークである全国大学附属農場協議会もその一つで、技術検定の運営に携わり、会員の農学系大学に団体受験による試験の活用を推奨

 日本農業技術検定を主催する日本農業技術検定協会は、全国段階の農業教育機関など14団体で構成されている。大学農場のネットワークである全国大学附属農場協議会もその一つで、技術検定の運営に携わり、会員の農学系大学に団体受験による試験の活用を推奨している。

 多くの大学では、もともと農業経験をもたない学生がほとんど。農学知識修得を補強する手段として日本農業技術検定を団体受験して学生のスキルアップを進め、卒業後の就職に活かすことをねらいにしている。

 2005年度に新設された国の普及指導員資格は、大学卒業後4年間の実務経験が受験要件で、在学中に取得できる資格ではなくなっている。

 大学生向けの技術検定パンフレットで「専門知識を修めた証しに農業の検定資格を取ろう。社会人に向けて農業知識のキャリアアップを図ろう」と学生に受験を呼び掛けている。

 農学系大学による技術検定の団体受験は、25年度は23大学で受験者が約900人。全体の4%にすぎないが、前年度を100人ほど上回った。

 農業知識の入門・基本レベルの3級と2級の受験が増えており、高校などほかの団体が少子化などの影響で受験者を減らす中で、特徴的な動向を示している。

 各大学では、特色ある団体受験を行っている。

〇実習での理解深まる

 日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)では、1~3年生が履修する農場での実習の中で1年生が3級合格、2~3年生は2級合格を目標にして、本検定の資格取得に取り組んでいる。

 検定試験の問題の内容を実習に取り入れ、農場で実物を見ながら作業を経験することで農業の理解が深まり、学生が実習に真剣に取り組む効果につながっている。25年度には100人を超える学生が受験。難関の1級には2人が合格するなど優秀な成績を修めた。

 こうした教育手法が高く評価され、20年度には全国大学附属農場協議会から全国大学農場教育賞が授与された。

〇受験講座を独自開設

 茨城大学農学部(茨城県阿見町)は、学生が身に付ける学力として「総合科学としての農学分野の専門知識と技術の修得」を掲げる。卒業生は公務員や研究機関、食品関連企業などに就職することが多いため、学生のスキルアップとキャリア取得を目的に同検定を団体受験している。

 2級合格に必要な実技試験が免除対象になる農学実習が必修となっており、補習の受験講座を設けるなど積極的に学生の資格取得を支援している。毎年度優れた成績を修め、2級受験者の高い合格率が評価され、25年度には検定協会による2級の最優秀団体にも選ばれた。


〇キャリア構築に助成

 龍谷大学農学部(滋賀県大津市)では、キャリア構築のための講義を開き、受験料の助成制度を設けて2級の受験を学生に推奨している。

 大学に備えられた検定テキストや過去問題集を活用して学生は自主的に勉学に取り組む。

 農業系の公務員に就職した卒業生は「専門試験で受験勉強した知識が役に立った」と2級試験合格のメリットを話している。

 25年度は約70人が2級を受験した。継続的な取り組みが評価され、4年連続で優秀団体に選定されている。



有料会員に登録すると会員限定の有料記事もお読みいただけます