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農人伝

ホウキング畑除草も進化中 桂川町・古野隆雄氏⑩

2026年06月26日
     
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ホウキングの仕組み 

 乾田直播で考案した手作り株間除草技術「ホウキング」の仕組みは、図のようになります。試してみると畑作でも有効でした。

 毎年耕している畑では、雑草は一年生なので、作物が芽を出した時期だけは、雑草より作物のほうが丈夫です。雑

ホウキングの仕組み 

 乾田直播で考案した手作り株間除草技術「ホウキング」の仕組みは、図のようになります。試してみると畑作でも有効でした。

 毎年耕している畑では、雑草は一年生なので、作物が芽を出した時期だけは、雑草より作物のほうが丈夫です。雑草は種子が小さく根が細く浅く、草丈も低いのです。

 しかも、作物は一斉に出芽しますが、雑草はちがいます。このちがいが重要です。図のように、ホウキングの金属製のL字型の針金を斜めに構えて引くと、針金は地中1㌢程度を上下左右に振動し、雑草が抜けるか土中に埋まります。土中で出芽したばかりの雑草の赤ちゃんも、かく乱されます。

 よく見ると、抜けた雑草も抜けなかった雑草も埋まっています。「埋まる」ことで、抜けても抜けなくても成長できなくなるのです。

 一方で作物は根の位置が雑草より深いのでかく乱されず、草背が高いため埋まることもありません。ホウキングは、このちがいに着目した「選別除草」の技術です。


思い込みを捨て生まれた 

 株間除草は、作物と雑草が同じ場所にあるため、人間の目での「選別除草」が必要だと、私を含めた多くの有機農家が思い込んできました。だから腰を曲げて黙々と、(くわ)や鎌での除草が当たり前と思ってきました。

 世界各地の有機農家と交流してきましたが、誰もが「除草が最大の問題」と言っています。なぜ世界中で、ホウキングのようなシンプルで安価で、誰もが手作りできる株間除草技術が発達・普及しなかったのか。たぶん「思い込み」のせいでしょう。「思い込み」を捨てたとき、「思いつき」が生まれます。

 今もホウキングは進化中です。最近は、備中鍬や、韓国のステンレス製の箸「チョッカラ」を針金の代わりに使ったホウキングの改良試験をしています。

 韓国料理店で食事をしたとき、中が空洞で軽くて丸いチョッカラを見て「使える」とひらめきました。試行錯誤しながら自ら技術を生み出していく過程が、私にとって農業の一番の楽しみです。 


構成 榊田みどり

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