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農人伝

求められる農業委員の意識改革 長野市・青木保氏⑩

2026年04月10日
     
23年、宮下一郎農水大臣へ要請(左から3人目が青木さん)
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任期中痛感したこと

 今年3月、2期6年間務めた長野市農業委員会長を退任しました。9年間、農業委員会活動にかかわる中で、感じたことがあります。

 2015年の法改正で、農業委員会の重点業務が「農地利用の最適化」とされましたが、その体制整備も農業

任期中痛感したこと

 今年3月、2期6年間務めた長野市農業委員会長を退任しました。9年間、農業委員会活動にかかわる中で、感じたことがあります。

 2015年の法改正で、農業委員会の重点業務が「農地利用の最適化」とされましたが、その体制整備も農業委員の意識転換も追いついていないことです。

 従来の農業委員会の業務は、基本的に農地法3・4・5条にのっとった農地の権利移動の承認と法的手続きが中心でした。

 それが、法改正で、担い手への農地集積・集約化や耕作放棄地の発生防止・解消、新規参入の促進など、多様な業務を担う組織とされ、「農地利用最適化推進委員」も新設されました。

 しかし、効率のいい農地管理に向けた圃場整備やマッチング、新規就農者の支援など、従来の農業委員には管轄外の業務で、対応しきれていない現場も少なからず見受けられます。

 以前はJAが農地管理に関する活動をある程度担ってくれていて、農家自身の農地への関心もありましたが、ここ10年ほどで、どちらも希薄化し、その分ズッシリと、農業委員会が農地管理業務を背負う形になりました。今後の担い手確保が不透明な中、国からは最適化のスピードを求められてもいます。とりわけ「地域計画」の実現とブラッシュアップは喫緊の課題です。

 しかし、特効薬はないのです。現場は、農地と担い手のマッチングや新規就農支援などの活動を地道にひとつひとつ、積み重ねていくしか道はありません。


情報は血液 

 私は、農業委員会長を務めた6年間、「農地のつぶやき」という情報紙を毎月作成し、農業委員会の月例総会で配布してきました。

 会長職の活動で得た市・国・県などの農政関連情報や、市内農地の現状、新規就農者の活躍などの情報や私の思いを書き記したものです。農業委員や推進委員のみなさんと情報共有し、少しでも農業委員会の意識共有・改革につながればと続けてきました。

 組織にとって情報は血液です。血流が滞れば機能不全に陥ります。タイムリーな情報の共有が、厳しい局面での判断材料や、新たな提言の源になるはずです。

 農業委員会改革の現場への浸透には、まだ時間がかかりますが、今後は個人として、引き続き汗を流していきたいと思っています。おわり


構成 榊田みどり

◇次回は福岡県の古野隆雄さん

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