ネットワークの激減による人口減少危機の本質
最近、地方で人口減少が加速していることから、周辺地域から生活拠点などを縮減する「スマートシュリンク論」が支持され始めています。私も、一定の人口減少に応じて既存の地域構造に見直しをかけること自体は必要だと考えています。しかし、シュリンク論の
最近、地方で人口減少が加速していることから、周辺地域から生活拠点などを縮減する「スマートシュリンク論」が支持され始めています。私も、一定の人口減少に応じて既存の地域構造に見直しをかけること自体は必要だと考えています。しかし、シュリンク論の多くが、従来の分野縦割り型の「規模の利益」を前提として、実質的には周辺地域の「切り捨て」を志向していることには、強く反対します。なぜなら、シュリンク論の多くは、人口減少がもたらす危機の本質を理解しておらず、その結果さらなる人口減少を引き起こすことになるからです。
人口減少危機の本質は、人口数自体よりもお互いを支える人間関係の数の方が激減することにあります。例えば、人口5人の集落を考えてみましょう。5人から4人へと人口が減った場合を考えます。この場合、ネットワーク(人間関係)は、10通りから6通りへと減少します。人口は2割しか減少していないのに、ネットワークは4割も減少してしまうのです。同様に、100人の集落が半減して50人になると、人間関係は4950通りから1225通りへと4分の1になってしまいます。つまり、人間同士のネットワークは、地域人口の2乗に比例して変化するのです。
したがって、人口減少を食い止めるためには、このようなネットワーク危機としての本質を理解した上で、地域内の集落や分野同士そして地域外の関係人口を幅広く連携させる新たな結節機能を創設していくことが必要となります。だからこそ、私は、単なるシュリンクではなく、地域内外の人々の間のネットワークを守り育て広げる、新たな中心広場(小さな拠点)や地域経営会社を政策提言しているのです。
◇次回は9月25日付









