現場に役立つ労務管理② 労災保険加入の必要性
前回書いたように、農業経営において、何とか社労士としてかかわれないかと考え始めて、最初に取り組んだことが「労災加入」を勧めることでした。
労災保険制度を農業者に勧めるには二つのアプローチがありました。①雇用しているところに向けての通常の労
前回書いたように、農業経営において、何とか社労士としてかかわれないかと考え始めて、最初に取り組んだことが「労災加入」を勧めることでした。
労災保険制度を農業者に勧めるには二つのアプローチがありました。①雇用しているところに向けての通常の労災加入と、②経営者が労災に加入する特別加入です。
①については、農業は労災保険制度において暫定任意適用事業とされており(7月1日時点)、常時5人以上の雇用がなければ強制適用ではありません。また、前回書いたように雇用かどうか判断がつかないという形が多くあることも知りました。
②については、雇用している経営者は第1種特別加入といい、労働保険事務組合に事務を委託する必要がありますし、私の周辺では年間100日以上雇用されている農業者がいませんでした。となると、第2種特別加入として、こちらも特別加入団体を通じての加入となります。
しかし、京都府内に特別加入団体は、数団体しかないという状況でした。つまり、それほど労災制度というものが浸透していない状況でした。
労災保険では、業務上のけがや疾病については療養補償給付により、自己負担なしで治療が行えます。健康保険制度では、業務外のけがや疾病を補償します。国民健康保険では、他の制度から給付ができない場合には給付を受けることができます。つまり、労災保険の治療費自己負担なしというのがそれほどのメリットであると考える人がいないということも知りました。
しかし、労災保険制度は、治療費のためだけではありません、休業補償や障害補償、遺族補償など、民間の保険制度ではカバーできない基本的な部分を大きく、また手厚く補償する制度です。決して労働者のためだけのものではなく、特別加入という制度で、経営者も加入することができます。これは今でも言い続けているところです。
@特定社会保険労務士 橋本將詞








