現場に役立つ労務管理⑥ 農業における変形労働時間制
前回、農業には特有の事情があり、あらかじめ日ごとの労働時間を設定するのは困難であること、時給であれば働いた時間を清算し、その分の賃金を支払えばいいと書きました。
では、月給の場合はどうするのか、月の所定労働時間を決めればよいのです。 例え
前回、農業には特有の事情があり、あらかじめ日ごとの労働時間を設定するのは困難であること、時給であれば働いた時間を清算し、その分の賃金を支払えばいいと書きました。
では、月給の場合はどうするのか、月の所定労働時間を決めればよいのです。 例えば、暦日数31日の月は200時間、30日の月は192時間、もちろん、季節によって繁閑がある場合、農繁期は200時間、農閑期は150時間といった決め方でも結構です。要は、月給が月ごとなので、「月」ごとに決めるということです。
つまり、月200時間と定めている月に210時間働ければ、10時間残業となります。大事なことは、これを働き方の「実態にあわせて」設定するということです。
今の労働基準法では、農業は法第41条該当、労働時間等の規定は適用除外となっています。これを実態が200時間であるにもかかわらず、170時間と定めると、常に30時間の残業となります。
今は、スマート農業が盛んで、農業界でも「生産効率」ということを考えずに経営は成り立たなくなってきました。「生産効率」の尺度とは何か。その尺度は「労働時間」です。実際に作業に必要な時間を知っていないと、新たな機械導入でどれほど時間短縮されたか、わかりません。
また、常に残業が発生している現場で、時間短縮(効率化)されると、減るのは残業代ばかりとなります。なので、まずは実態の労働時間を所定労働時間にする必要があるのです。
これまでの農業は、家族経営が中心で、作業に時間がかかったとしても、夜ごはんが遅くなるだけ、という感覚でした。一方、雇用を開始すると、労働時間の管理が非常に大切になります。
最低賃金が毎年度上昇し、これまでに増して、労働基準法第41条適用除外になっているからこそ、これからの農業には時間管理が必要になります。









