外国人材が見る日本③ インド 宗教や食習慣などの配慮も影響


人口約14億5千万人を抱え、世界最大の人口大国となったインドは、日本にとっても重要な人材の送り出し国として注目されている。こうした期待を背景に、2017年には技能実習に関する覚書、さらに21年には特定技能に関する覚書が日印間で締結され、日
人口約14億5千万人を抱え、世界最大の人口大国となったインドは、日本にとっても重要な人材の送り出し国として注目されている。こうした期待を背景に、2017年には技能実習に関する覚書、さらに21年には特定技能に関する覚書が日印間で締結され、日本への受け入れに向けた制度的基盤が整えられてきた。
受け入れはまだ限定的
一方で、出入国在留管理庁によると、25年末時点でのインド人在留者数は、技能実習が1358人、特定技能が758人にとどまっている。インドの持つ潜在力の大きさを踏まえると、受け入れはまだ限定的であり、今後の拡大余地は大きい。
全国農業会議所が今年3月、現地で開催した日本での就農や制度に関する説明会では、日本で働きたいという関心の高さが強く感じられた。会場では「技能実習修了後に特定技能へ移行できるのか」「日本には何年在留できるのか」といった質問が多く寄せられ、日本を単なる就労先としてだけでなく、将来を見据えて働ける場として見ている様子がうかがえた。
インドは若年人口が増えている一方で、十分な雇用機会が確保されていない地域も多く、海外就労への志向は根強い。なかでも日本は治安の良さや生活環境の安定性に加え、京都や北海道といった観光地の印象、アニメなどの文化的親しみもあって、好意的に受け止められている。
世界有数の多言語国家であり、日本語を覚えるのが早く、意思疎通しやすいのも特徴だ。
さらに、インド国内では依然として第1次産業の就業人口が4割超と農業に携わる人が多く、農業分野での就労を希望する声も少なくなかった。
経験や成長の情報を丁寧に
こうした中で、日本が「選ばれる国・産地・経営体」となるためには、制度の整備だけでなく、受け入れ側の環境づくりが欠かせない。とりわけインドは宗教や食習慣が多様であり、ベジタリアンへの対応や調理器具の使い分けなど、生活面への配慮が就労継続にも影響する。
加えて、技能実習から特定技能への移行や、その後のキャリア形成を見通せる仕組みを示すことは、意欲ある人材の確保に直結する。今後は、農業の現場で得られる経験や成長の機会を丁寧に発信しながら、受け入れ体制を整えていくことが求められる。








