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【農作業を安全に】 無人航空機の適正利用①

2026年06月12日

 農作業の省力化や効率化をねらい、ドローンなどの無人航空機を活用する農業者が増えてきた。安全な利用方法などを、(一社)農林水産航空・農業支援サービス協会に解説してもらう。(全4回)

 2015年の航空法一部改正で無人航空機の飛行が航空法の規制

 農作業の省力化や効率化をねらい、ドローンなどの無人航空機を活用する農業者が増えてきた。安全な利用方法などを、(一社)農林水産航空・農業支援サービス協会に解説してもらう。(全4回)

 2015年の航空法一部改正で無人航空機の飛行が航空法の規制対象となり、飛行のルールが制度化された。

 現在、無人航空機の重量100㌘以上のものが航空法の規制対象で、農業、リモートセンシング、空撮、点検、測量、運送、災害・探査調査など多様な分野で利用されている。

 農作業の利用場面は、作物の種類では、水稲、畑作物、果樹、樹木など、作業内容は、病害虫防除、施肥作業、除草作業、播種作業、誘殺板投下、受粉作業、融雪作業など多岐にわたっている。

 農薬散布などにおけるマルチローター(ドローン)の活用状況を農水省の公表値で見ると、年間販売台数はここ数年3千台代/年で推移している。農薬などの散布面積は23年度に100万㌶を突破。農作業の省力化・効率化に向けたドローンの利用が進んでいる。普及拡大の背景には、稲・麦類以外の野菜類、果樹類、いも類などの品目で農薬登録が進み、ドローン用農薬の選択肢が充実したことがあるようだ。

 無人航空機の農作業への本格的な利用は、1991年に同省が制定した「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に始まり、水稲病害虫防除を中心に事業散布を展開し、2013年に全国の水稲防除延べ面積が93万㌶とピークを迎えた。

 17年の作業効率を平たん地の事例で見ると、無人ヘリコプター1機当たりの平均散布面積は29㌶/日(薬剤搭載量12~32㌔)で、1回の薬剤搭載で3~4㌶程度の農薬散布が可能だった。一方同時期のドローンは、搭載量が8㌔程度で、フル充電での飛行時間が10分程度。1㌶散布するごとに薬剤やバッテリーの補給が必要だった。その後、機種の性能は飛躍的に向上し、搭載量が50㌔の機種も販売されている。

 今後、農薬散布現場でドローンの利活用を拡大するためには、ハード・ソフト面での環境整備が必要だ。ハード面では自動操縦技術や最大離陸重量、バッテリー性能、障害物感知センサー精度の向上、制御不能時対策、電波干渉・通信遮断時対応、散布装置の改良など、ソフト面では防除実施組織体制の構築、圃場整備、操縦者の養成、散布地図の簡易作成、地図上で最適な散布飛行ルート作成、作業終了エリアのマーキング、作業記録簿作成ソフトなどの開発が望まれる。

 地域ごとに効率の良い防除を実施するためには、個人防除から集団防除への転換が有効と考えられる。それには地域の集団防除団体を取りまとめる防除組織の育成が課題だ。作業現場の状況(平たん地、傾斜地、広域、狭隘(きょうあい)、標高)に見合う機種を選定し、コストに即した散布飛行技術の工夫を、防除組織が地域全体で考える必要がある。

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