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農人伝

カラスとの空中戦 桂川町・古野隆雄氏⑦

2026年06月05日
     
電気柵との出合いで野犬に勝利
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 電気柵に出合った私は、帰宅後すぐに、その電気柵メーカー、末松電子製作所に電話をしました。熊本県八代市の会社で、社長の末松弘さんは「平場で犬対策に使うのは、あなたが初めてですたい」と言いながら、製品を送ってくれました。

 早速アイガモのいる田

 電気柵に出合った私は、帰宅後すぐに、その電気柵メーカー、末松電子製作所に電話をしました。熊本県八代市の会社で、社長の末松弘さんは「平場で犬対策に使うのは、あなたが初めてですたい」と言いながら、製品を送ってくれました。

 早速アイガモのいる田んぼを囲む網の外周に電気柵を張ると、効果てきめん。その夜から野犬は来なくなりました。3年に及ぶ野犬との戦いが終わったのです。

 その後も、雑草との接触による漏電や、イタチ・タヌキなどの侵入もありましたが、その都度、創意工夫を重ねて乗り越えました。

 最後はカラスとの空中戦です。上空から襲うカラスに電気柵は効きません。最初は、4㍍間隔で透明テグスを張れば防げましたが、そのうち全国各地のアイガモ仲間で、カラス被害が発生するようになりました。観察すると、カラスはテグスの間をすり抜けて侵入していました。テグスが見えているのです。カラスの最大翼長は0.8~1㍍なので、1㍍おきにテグスを張ればいいという研究機関もありますが、机上の空論。広い田んぼで1㍍おきにテグスを張るのは大変です。

 それなら「見えない糸」を張ればいいと考えました。透明テグスは日光を浴びると光って見えやすくなりますが、極細の黒いテグスなら、土の保護色なので、上空から見えづらくなるはずです。

 あちこち問い合わせても、黒テグスはありませんでしたが、意外な所で見つかりました。電気柵の電柵線の中に、0.3㍉の極細黒テグスが使われていたのです。本当に必要なものは身近にあります。

 試してみると、4㍍間隔でも侵入しませんでした。カラスは羽の先端がギザギザなので、そこにテグスが巻き付いて動けなくなります。外敵防除は「脅し」と「実害」。「脅し」は2週間程度で慣れが生じます。黒テグスは「実害」です。カラスは、4㍍間隔の黒テグスの間にもテグスがあるのではと想像するようです。頭の良さの弱点です。

 黒テグスは畑でも有効で、農業誌「現代農業」で紹介すると、「トウモロコシ畑に1本張ったら大丈夫だった」「イチゴ、スイカ、ピーナツで効果抜群」など、読者から多くの反響がありました。

 外敵との戦いが終結すると、アイガモは、除草効果以外にも稲に多くの恩恵をもたらしていることが次第に見えてきました。

 構成 榊田みどり

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