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連載

つれづれ農日記

石油王の12カ月 小泉ファーム 千葉・成田市 小泉輝夫氏

2026年05月01日

一人土地改良区として、本質を掘る


心血注ぎ「原資」を改良

 5月、周囲の田に水が入り、早苗が整列し始めると、私の「乾田直播」は異様な景色の中に置かれる。

 周囲と逆行し、乾いた土に種をぶち込む。この「じかまき」は、決して効率を追うだけの近道ではな

一人土地改良区として、本質を掘る


心血注ぎ「原資」を改良

 5月、周囲の田に水が入り、早苗が整列し始めると、私の「乾田直播」は異様な景色の中に置かれる。

 周囲と逆行し、乾いた土に種をぶち込む。この「じかまき」は、決して効率を追うだけの近道ではない。

 私が暗渠施工に心血を注ぐのは、この地区が超湿田に占められているからだ。狭小な圃場が点在する今のままでは、諸外国やSNSで見られるような最新型の大型トラクターがスマートに躍動することなど、到底不可能である。

 だからこそ、抜本的に見直し、圃場の区画拡大を断行する。

 それは、消費者に届く優良な食品を生むための「原資」だ。

 土壌を改良し、水の浸透、湛水、乾田をコントロールすることで、根は素晴らしく発根し、旺盛な光合成を可能にする。このプロセスを経て初めて、良質な作物が生産される。

 これこそが、農業の本質であると私は信じている。

 時代は小農主義から大量離農へと移り変わった。時にアクセルとブレーキを同時に踏むような矛盾した政策が打ち出されることもあるが、そんなものに惑わされている暇はない。


基盤整備に尽力

 私は、個人による「一人土地改良区」として、基盤整備に尽力する道を選んだ。

 かつては踏み入る人間の足が沈んで、歩くことすらままならなかった圃場を改良し、最新型のジョンディアが耕せるようになった景色を眺めるとき、深い感慨を覚える。

 教養とは知識の量ではなく、こうした現実をどう解釈し、行動に移すかだ。

 優秀な仲間と共に、連携して土を変える。その耕地に、1粒の可能性を信じて種を託す。

 「成田の石油王」という派手な異名に隠された、地道な基盤整備の日々。小難しい理屈を並べる前に、まずは目の前の土を、未来が描ける形に整える。それが5月の私の戦いだ。

◇次回は6月5日付

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