松葉ボウキと乾田除草 桂川町・古野隆雄氏⑨


最大の課題
アイガモ水稲同時作は、労働時間の4割を、田んぼに電気柵と網を張る「囲い込み」作業が占めていました。そこで、網の使用をやめてアゼ波シートと電気柵を張りっぱなしにして永年設置すると、かなりの省力化になり仕事が楽になりました。
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最大の課題
アイガモ水稲同時作は、労働時間の4割を、田んぼに電気柵と網を張る「囲い込み」作業が占めていました。そこで、網の使用をやめてアゼ波シートと電気柵を張りっぱなしにして永年設置すると、かなりの省力化になり仕事が楽になりました。
2003年(平成15)には、さらに省力化を図るため、アイガモ乾田直播に挑戦。最大の課題は除草問題でした。乾田直播では、稲の種もみを播くと、一緒に雑草も発芽します。湛水すれば、ほとんどの草は枯れますが、ノビエは水陸両用なので枯れません。
その後に湛水してアイガモを放しても、すでにしっかり根を張っているのでアイガモでも太刀打ちできません。それならと乾田段階でアイガモを放してみましたが、今度はアイガモが泳げないため、ほとんど除草効果がありませんでした。
次にスパイラルローターを使うと、条間のヒエは除草できましたが、株元のヒエは残ります。そこで、農機メーカーのオーレック社と、乾田の株間除草機の開発を始めましたが、試行錯誤の連続で、出口が見えないまま10年以上の歳月が過ぎました。
手作りの株間除草技術
16年、長男が「お父さん、オランダの農機メーカーがAIと画像処理とカメラを組み合わせた除草機械を売り出したから買おう」と言いました。
しかし、値段が500万円と聞いて、「500万もするならお父さんが作るばい」と、採算も勝算も何もないのに言ってしまいました。
翌朝、どうしたものかと思案していると、倉庫の片隅の松葉ボウキが目に留まりました。「私を使ってみなよ」という声が聞こえました。実際に使ってみると、乾田除草に思った以上の効果がありました。そこから、手作りの株間除草技術「ホウキング」にたどり着いたのです。
もうひとつ、乾田直播の課題がありました。代かきをしないため、水の縦浸透が良すぎて田んぼになかなか水がたまらないのです。
九州沖縄農業研究センターの中野恵子先生の記事を「現代農業」で読み、振動ローラを播種から1カ月後に使ってみたところ、地表面から約10㌢の深さに不透水層ができ、代かき田と同様に湛水できることがわかりました。何年も答えが見つからなかった課題が、これでようやく解決しそうです。
構成 榊田みどり








