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農人伝

アイガモと出会う 桂川町・古野隆雄氏⑤

2026年05月22日
     
今や稲作に欠かせないアイガモと(写真・佐藤弘 11年撮影)
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 土づくりが安定し、徐々に有機農業の面積を拡大しました。販売も、グループ出荷から、セット野菜と卵を会員宅に直接届ける「提携」に切り替えました。

 当初は15軒程度でしたが、口コミで顧客が増え、1985年には約50軒、90年頃には約100軒にな

 土づくりが安定し、徐々に有機農業の面積を拡大しました。販売も、グループ出荷から、セット野菜と卵を会員宅に直接届ける「提携」に切り替えました。

 当初は15軒程度でしたが、口コミで顧客が増え、1985年には約50軒、90年頃には約100軒になりました。


除草に追われる日々

水田1.6㌶、水田転作畑30㌃の農地すべてを有機農業に転換しましたが、そこで新たな課題に直面しました。除草です。今では実感から確信に変わりましたが、有機農業の技術の根幹は、「地力維持」と「雑草防除」。土づくりをしても、雑草はどんどん生えます。

 畑は、マルチや土寄せ、管理機除草で、それなりに雑草を抑えられましたが、広大な水田の手作業での除草は、途方もない時間と労働が必要です。なんとか省力化できないか。手押し除草機、深水管理、2度代かき、コイ除草、カブトエビ除草、いろいろ試しましたが、どれも失敗。

 試行錯誤の末、動力除草機を条間にかけ、除草機の届かない株間に残ってしまうノビエやコナギは、炎天下、消費者の援農にも助けてもらいながら、早朝から夜遅くまで夫婦で1本1本抜く。そんな生活を10年ほど続けました。


アイガモ除草法に挑戦

 転機は、1988年(昭和63)。世界救世教に勤めておられた自然農法の指導者、野見山末光さんに誘われ参加した勉強会でした。

 野見山さんから「アイガモ除草法」をメモした数枚の便せんをいただいたのです。富山県の自然農法の指導者、置田敏雄さんが実践・指導しておられる方法とのことでした。

 アイガモなら株元の雑草も食べてくれるかもしれない。雑草を食べて育ったアイガモを、今度は人間が食べる循環もできる。一読して面白いと思い、早速、メモにあったヒナの入手先に電話して、試しに100羽送ってもらいました。

 6月中旬、高さ1・5㍍の竹を立てて田んぼを網で囲い、田植え後にヒナを放しました。縦横無尽に泳ぎ回りながら、害虫や株元の雑草を食べるヒナのいる水田風景は、見ているだけで心が癒やされました。雑草はウソのように消え、これで除草作業から解放されると期待に胸が躍りました。

 しかし8月、田んぼの中干しの時期に、思いがけない事件が発生したのです。

 構成 榊田みどり


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