現場に役立つ労務管理⑦ 農業における時間管理の必要性

2026年08月28日

 前回、農業には時間管理が必要となることを述べました。それは、スマート農業やAI化が進み、生産効率が求められる、その尺度が「時間」であるためです。また、労働基準法の労働時間等項目が適用除外であるからこそ、という話をしました。


 もう一つ時間管

 前回、農業には時間管理が必要となることを述べました。それは、スマート農業やAI化が進み、生産効率が求められる、その尺度が「時間」であるためです。また、労働基準法の労働時間等項目が適用除外であるからこそ、という話をしました。


 もう一つ時間管理が必要なわけは、人件費の管理のためです。人件費には、法定福利費なども含まれますが、そのほとんどが支払う給与の総額です。給与は労働時間で決定されます。前回も触れましたが、時給であれば労働時間そのまま、月給であれば(月の)所定労働時間を超えれば残業代となります。


 つまり、時間管理することで、賃金額を見込むことができ、逆に時間管理していないと人件費の管理ができないということになります。


 例えば、年間2100時間(月平均175時間)で月給25万円の従業員がいると仮定します。その人が年間2100時間に労働時間がおさまれば、年間300万円となります。もし2100時間を超えた分があれば、残業代として支払うことになります。年間の人件費の予算を1100万円とした場合、同じ月給25万円の正社員が3人いれば、年間900万円、残りの200万円で時給1200円のパート労働者に年間1666時間働いてもらえる計算となります。法定福利費なども人件費に入れる必要はありますが、その人件費の予算の残りの1666時間分をいつの時期に、何人雇用するか、という計画を立てることができます。


 そのためには実態に見合った労働時間の設定が必要で、今の農業であればそれが法的にも可能なのです。

 最低賃金などの人件費以外にも、資材や肥料などの価格上昇がとまりません。しかし農業は、販売価格を上げることは難しい仕組みになってしまっている事情もあります。今できること、労務管理でいえば、必要な作業を見極めて、適正な労働時間で人件費を管理する、ということです。


@特定社会保険労務士  橋本將詞



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