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コラム・社説

じいじのつぶやき

土用の丑の日 農林水産技術会議会長・本川 一善

2026年06月19日

ウナギの季節

 今年も土用の(うし)の日がやってきます。今年は7月26日。日曜日に重なるので、全国の(かば)(やき)()さんは大きな期待をもって準備していると思います。

 その由来は諸説ありますが、江戸時代に平賀源内が発案したというの

ウナギの季節

 今年も土用の(うし)の日がやってきます。今年は7月26日。日曜日に重なるので、全国の(かば)(やき)()さんは大きな期待をもって準備していると思います。

 その由来は諸説ありますが、江戸時代に平賀源内が発案したというのが通説のようです。()(らい)、夏バテ予防に効く栄養素が豊富に含まれるウナギを、土用の丑の日に食べる風習が定着したといわれます。

 それにしてもウナギは不思議な生き物です。ニホンホンウナギの場合、生息する河川から海に下り、はるか南の西マリアナ海溝まで移動して産卵します。生まれた()(ぎょ)は、最初は西マリアナ海流に乗って西向きに漂流し、フィリピン近海で黒潮に乗り換えて日本近海まで北上します。そこで河川からの真水で塩分濃度の変化を感知し、(つい)(すみ)()となる河川を()(じょう)するのです。

 不思議なことに、北米や欧州のウナギも、バミューダトライアングル付近の海域まで遠征して産卵します。大陸移動前の太古の海域という説もありますが、定かではありません。


ウナギの未来

 われわれが食べるウナギの大半は、日本や台湾の近海まで漂流して来たシラスウナギを漁獲して養殖池で育てたものです。近年、その資源量が減少しているため、国際的な合意に基づく資源管理に努めていますが、ワシントン条約の締約国会議などでは厳しい指摘を受け続けています。

 そのような中、ウナギの完全養殖が注目されています。人工的に産卵・ふ化させたシラスウナギを親魚まで育て、さらにその親魚から得た卵をふ化させる養殖技術で、2010年に水産研究・教育機構が世界で初めて開発に成功しました。

 その社会実装に向け、これまでネックとなっていた安価な飼料と大量飼育に適した大型水槽の開発が進められ、最近、一般向けに完全養殖ウナギの試験販売が開始されました。

 まだ少しお高いようですが、暑い夏に(うなぎ)の蒲焼を心置きなく楽しめる日が来ることを心から期待します。


◇次回は7月17日付

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