令和の時代の「虻蜂取らず」 プチ生物研究家・谷本雄治
「虻蜂取らず」ということわざにずっと、違和感があった。「虻、蜂を取らず」ならまだしも、主語のないのが気になる。それはクモだと解釈されると、なぜクモなのかという新たな疑問がわく。
なーんて思いながら、イチゴの花に飛んでくる虻を見てい
「虻蜂取らず」ということわざにずっと、違和感があった。「虻、蜂を取らず」ならまだしも、主語のないのが気になる。それはクモだと解釈されると、なぜクモなのかという新たな疑問がわく。
なーんて思いながら、イチゴの花に飛んでくる虻を見ていた。みつと花粉をもらう代わりに受粉の手助けをしてくれるから、虻は農業の味方だろう。なかでもハナアブ類は授粉の名手だし、シオヤアブなんて、昆虫界最強の害虫ハンターとして名をはせる。
蜂はどうか。ミツバチは、だれもが認める授粉昆虫だ。アシナガバチは、田畑の害虫をやっつけてくれる。虻も蜂も農業に貢献しているのだから、どちらかを選ぶなんてもったいない。
ミミズ飼育最大の敵
ミミズを使う生ごみ処理が注目された時代がある。ココナツ繊維や新聞紙などの床材を入れた容器に大量のミミズを投入し、えさとして野菜くずなどを与えた。そうするときれいに分解してくれるというので、都会でも試す人がいたものである。
そのミミズ飼育で、最優先の駆除対象がアメリカミズアブの幼虫だった。えさを横取りし、容器内をヘドロ化させて環境を悪化させるからだ。
見方を変えれば資源に
そんな嫌われ虫がいま、農業の救世主になるのではないかと期待されている。生ごみや農業残さを食べて分解するだけでなく、幼虫そのものが豚や鶏などの家畜飼料になり、排せつ物さえ肥料になるというのだ。
栄養価の高い動物性タンパク質となるだけでなく、ほかの成分に着目したバイオ燃料、化粧品への活用も夢ではないとか。しかも、処理スピードが速い。いやはやなんとも、ミミズも真っ青の働きぶりである。
農作物を荒らすことはなく、刺す針を持たないから蜂のような怖さもない。そうなると虻も蜂も選ぶべきであり、ことわざの行方さえ気になる。
それにしても幼虫時代のあの見てくれ、なんとかならないかなあ。無理は承知なのだけど。








