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コラム・社説

じいじのつぶやき

登山の季節 農林水産技術会議会長・本川 一善

2026年07月17日

 山の日が近づき、今年も夏休みの登山を楽しみにしています。


 大学生の頃、親しい友人たちと登山に行き、興味が湧いてからは、主に単独行で南アルプスや八ヶ岳、簡単な冬山にも挑戦しました。


 役所に就職して中断を余儀なくされましたが、退職してから新た

 山の日が近づき、今年も夏休みの登山を楽しみにしています。


 大学生の頃、親しい友人たちと登山に行き、興味が湧いてからは、主に単独行で南アルプスや八ヶ岳、簡単な冬山にも挑戦しました。


 役所に就職して中断を余儀なくされましたが、退職してから新たに道具をそろえて登山を再開しました。若い頃は我武者羅(がむしゃら)に3千㍍前後の頂上をめざしたものですが、最近は近場の低山をゆっくりと歩いています。


 辿(たど)り来て(いま)だ山麓――。秘書官としてお仕えした野呂田芳成農林水産大臣から教わった座右の銘です。書を(たしな)んだ大臣が、山の筆絵とともに色紙に良く揮毫(きごう)しておられました。住専問題の処理策を政府が決めた時の大臣で、その後も万年秘書官として、折に触れ、この言葉を体現した身の処し方を学ばせてもらいました。


 元々は将棋の升田幸三さんの言葉で、タイトル戦ではライバルの大山康晴さんに分が悪かった升田さんが、1957年、(つい)に史上初の三冠制覇(名人・王将・九段)を成し遂げた時の言葉です。若い頃は、その謙虚な姿勢よりも、山麓を通過点として、さらなる高みをめざす闘志に深い感銘を受けたものです。



 山麓といえば、子どもの頃、「むこうの小山のふもとまで…」と歌った時、どうして頂上をめざさないのだろうと不思議に思ったものです。しかし、絵本の最後の場面では、かめが山頂で1着の旗を持って喜んでおり、子ども心にも妙に得心がいった気がしました。


 絵本の作者は、うさぎの過信や油断を戒める上で、競走のゴールは山頂が文字どおり絵になると考えたのでしょう。高度成長期という時代背景もあったのかもしれません。


 他方、歌詞の作者は、歩みが遅くとも着実に努力するかめのゴールは、ふもとが相応(ふさわ)しいと考えた気がします。

 私の登山は、加齢と持病のため高みをめざすことは難しくなってきましたが、これからは山麓をゴールにのんびりと歩いていこうと思います。


◇次回は9月18日付

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