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コラム・社説

脳内SDGs

【積み重なった私の価値】 漫画家・コラムニスト 辛酸なめ子

2026年05月01日

 先日、お寺の花まつりのイベントで、友人の漫画家の先生に呼んでいただき、似顔絵描きの仕事をしてきました。一日中、主に家族連れのお子さんの顔を30人弱描かせていただきました。動き回る元気なお子さんの顔をチラッと見て記憶することで、脳トレになっ

 先日、お寺の花まつりのイベントで、友人の漫画家の先生に呼んでいただき、似顔絵描きの仕事をしてきました。一日中、主に家族連れのお子さんの顔を30人弱描かせていただきました。動き回る元気なお子さんの顔をチラッと見て記憶することで、脳トレになった気がします。


同業者との情報交換 

 休憩タイムに控え室で漫画家の先生方と、健康や老後、お金について情報交換。70代の漫画家の男性は、年金に加え株の配当金で生活が安定しているそうです。そんな中、60代の男性漫画家の意外な収入源が明らかに。「僕は人の紹介で、ネットで昔の生原稿を売っています。今はデジタルだし、紙の原稿なんてあっても邪魔なだけ。1話ぶんで2万円から、という値段で結構売れますよ」とのこと。それを聞いた70代漫画家さんが「えっ僕は生原稿は破り捨てていた。もったいないことをしたかも」と悔やんでいました。もちろん私も昔の生原稿なんて、部屋の片隅に積み重なったままで、売れるなんて考えたこともありませんでした。新たな価値を見いだしてもらえて、再利用されるなら、SDGsといっても良さそうです。情報通の40代女性漫画家さんが「生原稿でも有名な人の価値があるものだと、相続税の対象になるらしいですよ」と教えてくれました。「それは手塚治虫とかの話でしょう」と言いながらも、皆さん紙の時代を経てきているので、家にある生原稿の存在が気になるところです。


1世紀先のニーズ

 すでに生原稿を売っている漫画家さんは、仲介者に「どんどん売ってくれと言われる」とのことで、かなりの収入になっているようでした。自分の生原稿は売れるかな、やっぱり売れないかも、と思いながら、参考にその先生がどんな生原稿を出しているか検索。すると……ここでは説明できないような男女のあられもない場面が。これは人気が出るはずです。100年後は春画みたいな価値が出ているかもしれません。やはり世間のニーズに合わせることが必要だと実感しました。

◇次回は6月5日号付

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