【じいじの呟き】 農林水産技術会議会長・本川 一善
今月から本コラムを執筆することになりました。役人一筋で洒落たことは書けませんが、よろしくお願いします。
春のスタート
春のスタートで私がまず思い浮かべるのは、何といっても桜の花です。自分や子どもたちの入学式、満開の桜を背景に記念撮
今月から本コラムを執筆することになりました。役人一筋で洒落たことは書けませんが、よろしくお願いします。
春のスタート
春のスタートで私がまず思い浮かべるのは、何といっても桜の花です。自分や子どもたちの入学式、満開の桜を背景に記念撮影をしたことを思い出します。代々木での合同研修を終えて農林水産省で働き始めた時に迎えてくれたのも、外務省の前の満開の桜でした。
冬枯れの野山で真っ先に花を咲かせて春の訪れを告げる桜は、古くからわれわれ日本人の心を癒やし、鼓舞してきました。沈鬱だった冬の空気を一気に明るいピンク色に染め、未来に向かう意欲を喚起する、そんな桜のエネルギーが入学式や新生活のスタートの象徴になったのでしょう。
桜が満開の時季になると近所の桜を巡礼して、花びらを眺め、香りを楽しみ、幹に触れ、五感をフルに活用して桜のエネルギーをいただくのが春の私の恒例行事になっています。
桜花賞
毎年4月の第2日曜日に開催される桜花賞は、多くの競馬ファンが楽しみにしている春の風物詩のひとつです。3歳牝馬のクラシック三冠の嚆矢を飾る競走で、5月のオークス、秋の秋華賞へと向かう大事な最初のレースです。舞台となる阪神競馬場では、向こう正面の満開の桜並木が、未来を賭けて激走する若駒たちに力強いエールを送ってくれたものです。
しかし最近では、地球温暖化の影響からか、既に桜の花のピークは過ぎ、「葉桜賞」の様相を呈する年が多くなっています。
3月の満開が常態化した昨今、桜はもう新たなスタートを彩る象徴ではなくなっているのかもしれません。
それでも、花が散った後に若葉が芽吹いて力強く生い茂り、樹幹にエネルギーを蓄えて翌年にまた花を咲かせる、その命の循環こそが桜のパワーの源泉のように思います。葉桜になろうとも、入学式や新生活や桜花賞に臨む人や馬たちを、桜は応援してくれるに違いありません。
◇次回は5月22日付








