短気は損気 農林水産技術会議会長・本川 一善
ある夏の日、私はY銀行のATMの前で紙幣が出てくるのを待っていました。
すると、チャリンという音がして硬貨の取出口の蓋が開くではありませんか。何とそこにあったのは5円玉1枚。私は何事が起きたのか分からず、しばし立ち竦むばか
ある夏の日、私はY銀行のATMの前で紙幣が出てくるのを待っていました。
すると、チャリンという音がして硬貨の取出口の蓋が開くではありませんか。何とそこにあったのは5円玉1枚。私は何事が起きたのか分からず、しばし立ち竦むばかりでした。
遡ること数分前、私は列に並んで苛立っていました。2台の機械を長時間、何冊もの通帳を駆使してお金を出し入れする人たちが独占していたのです。
その苛立ちが冷めやらぬ中、自分の順番が回ってきて「5」の数字を押したのですが、どうやら頭に血が上って「万円」を押し忘れてしまい、5円玉をゲットする羽目になったようです。
気を取り直してATMを操作して事なきを得たのですが、手元には使う当てのない5円玉が残りました。
これを持って帰ってもよかったのですが、キャッシュレスの時流に乗って小銭入れを持ち歩かなくなっている私は、窓口で預け戻すことを思い付き、手続きをお願いしました。すると、窓口の方が「窓口では100枚まで無料ですから…」と気の毒そうに言うのです。
意味が理解できずに確認したところ、ATMでの1枚以上の硬貨の払戻しには110円の「硬貨預払料金」が掛かる決まりで、私は当面は必用ない5円玉のために110円の手数料を払ったということが判明しました。
ちなみにATMでの預入には100枚という限度がある上、枚数に応じて110円から330円の料金がかかります。また、窓口では預入・払戻しともに100枚まで無料ですが、それ以上は枚数に応じて550円からの料金がかかるようです。
たかが110円といえばそれまでですが、身をもって「短気は損気」を実感した出来事でした。
皆さま! くれぐれも「万円」の押し忘れにはご注意ください。
さらにこの文章を書いていて、あの5円玉を「ご縁」のお守りとして持っていれば、思いがけぬ幸運に巡り会えたかも…と改めて後悔しています。
◇次回は10月16日付








