労災保険が加入義務化へ 「対応」と「備え」が経営を守る
農作業の死亡事故が後を絶たない。農水省によると、2024年の農業従事者10万人当たりの死亡者数は14.8人となった。この水準は全産業平均1.1人の13倍超だ。国民の食を支える農業現場は危険と隣り合わせであり、働く人の命を守りながら、経営を
農作業の死亡事故が後を絶たない。農水省によると、2024年の農業従事者10万人当たりの死亡者数は14.8人となった。この水準は全産業平均1.1人の13倍超だ。国民の食を支える農業現場は危険と隣り合わせであり、働く人の命を守りながら、経営を継続していくことが重要となる。
その中で改めて求められるのが、「対応(安全対策)」と「備え(労災保険)」を一体で考えることだ。事故防止対策は当然重要だが、事故をゼロにすることは難しい。事故は一瞬で経営や家族、従業員の日常を変えてしまう。万が一の際、働く人だけでなく、経営を守る備えとして、労災保険の役割は大きい。
農業では、個人経営体で常時雇用が5人未満の場合、暫定任意適用事業とされ、労災保険への加入は任意となっている。一方、雇用を行う農業経営体は増加しており、家族労働中心から、人を雇い経営する産業へと変化している。
こうした中、国では暫定任意適用事業の見直しが進められており、31年度までに、労働者を1人でも雇えば労災保険への加入が義務化される見通しだ。対象は17万経営体以上に及ぶともいわれる。
現在、国では25年度補正事業「雇用体制強化事業(推進体制整備コース)」を通じ、全国農業会議所が事業実施主体となり、労災保険の制度周知や農作業安全対策の啓発、地域の相談体制整備、加入支援などを進めている。
重要なのは、「義務だから加入する」という発想ではなく、事故が起きたとしても従業員や経営を守り、安心して働ける職場づくりを進めることである。「自分には関係ない」と考えず、安全対策と労災保険が経営を守る両輪だと意識してほしい。








