【ウンカ特集】見つかりにくく、秋に牙をむく~トビイロウンカはどこにいるのか~③
育苗箱施薬剤は水稲防除の根幹
育苗箱施薬剤の普及によって、水稲の病害虫防除は大きく変わりました。飛来したウンカ類の多くを定着初期に抑えることができ、現在では防除体系の土台になっています。
しかし、どんな技術も万能ではありません。一部の個体
育苗箱施薬剤は水稲防除の根幹
育苗箱施薬剤の普及によって、水稲の病害虫防除は大きく変わりました。飛来したウンカ類の多くを定着初期に抑えることができ、現在では防除体系の土台になっています。
しかし、どんな技術も万能ではありません。一部の個体は生き残ります。そして、そのわずかな生き残りが後の増殖源になることがあります。
だから、「箱施薬をしたから終わり」ではなく、「箱施薬をした上で圃場を見る」ことが大切です。
大切なのは「増やさないこと」
トビイロウンカ対策で本当に大切なのは、飛来したかどうかではありません。
増殖させないことです。
圃場を観察する。株元を見る。発生予察情報を見る。必要であれば本田防除も考える。
そうした積み重ねが坪枯れを防ぎます。
収穫期が近づくと、防除コストと予想被害をどう考えるかという難しい判断も出てきます。病害虫防除は単純ではありません。
だからこそ、圃場をよく見ることが重要なのです。
おわりに
近年、本土では坪枯れを見る機会が少なくなりました。
しかしトビイロウンカは消えたわけではありません。実際、2026年には沖縄県西表島で約40年ぶりとされる坪枯れ被害が確認されました。
空では前線に運ばれ、田んぼではまばらに落ち、誰にも気づかれないまま増え、秋になって初めて牙をむく。それがトビイロウンカという害虫です。
「今年は見えない」と「今年はいない」は同じ意味ではありません。稲を見て、株元を見て、圃場を歩く。その積み重ねが、坪枯れを防ぐ最も確実な方法だと思います。










