将来にわたる食料の安定供給をめざす~新たな水田政策の方向について~ その①



世界の食料需給などが不安定に進行する中、わが国において国民への食料安定供給は必要不可欠な要素であり、現在、食料・農業・農村基本計画に基づいた新たな水田政策が検討されている。日本農業の転換点にもなりうる政策の方向について宇都宮大学助教の松平
世界の食料需給などが不安定に進行する中、わが国において国民への食料安定供給は必要不可欠な要素であり、現在、食料・農業・農村基本計画に基づいた新たな水田政策が検討されている。日本農業の転換点にもなりうる政策の方向について宇都宮大学助教の松平尚也氏に聞いた。
「生産性向上」が前面に始まる新たな水田政策
農水省は、2027年度から導入する新たな水田政策の枠組みを取りまとめた=表。政府はこれを「骨太の方針」に反映し、6月下旬から全国で地方説明会を開きつつ制度設計を進める。一方、交付単価などの制度の詳細は今後決まる見通しで、麦などの生産者からは先行きへの不安も聞かれる。
今回の新たな水田政策では、多様な需要に応じた生産による「田畑フル活用」を通じて食料安全保障の強化を図る方針が掲げられている。農水省は、水田・畑を問わず、単収向上による土地生産性の向上と、省力化やコスト削減による労働生産性の向上を進める考えである。
背景には、農業者減少や耕作放棄地拡大への危機感がある。農業構造の変化が進む中、将来にわたる食料の安定供給と農業生産の維持を図るための制度見直しが進められている。
「水田活用の直接支払交付金」 の見直し
新たな水田政策は、これまで転作を支援してきた「水田活用の直接支払交付金」の抜本的見直しを柱としている。現行制度では作付面積に応じて交付金を支払うが、新制度では生産性向上のための取り組みへの支援となり条件が転換される。特に非主食用米や麦、大豆、飼料作物については、生産性向上に向け、収量に応じた面積払いへ切り替わることが大きな変更点となる。
また、非主食用米(加工用・米粉用・新市場開拓用等)=図1=については、効率的施肥や高温耐性品種の導入など通常の生産性向上と、直播や再生二期作など一層の生産性向上を対象とする二つのメニューが設けられる。各メニューに取り組めば交付金が支払われる見通しで、実需者などとの事前契約が要件となる。交付単価は用途によらず一律である。
その②に続く








