【飼料用稲(米)特集】飼料用稲(米)の生産と活用に向けた技術のポイント①

2026年09月04日
     
簡易流し込み施肥の様子
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技術普及と規模拡大が低コストのカギ


2025年度は主食用米の需給動向により飼料用稲の作付けは大きく減少し、飼料用米供給の不安定化や耕畜連携の取り組みへの影響が懸念されている。食料・農業・農村基本計画(25年4月、閣議決定)に基づく新たな水田政

技術普及と規模拡大が低コストのカギ


2025年度は主食用米の需給動向により飼料用稲の作付けは大きく減少し、飼料用米供給の不安定化や耕畜連携の取り組みへの影響が懸念されている。食料・農業・農村基本計画(25年4月、閣議決定)に基づく新たな水田政策では、低コスト栽培技術の普及、規模拡大などによる生産コスト低減、耕畜連携に基づく畜産物生産の差別化などの生産支援策が掲げられている。        筑波大学生命環境系・助教 加藤盛夫


生産メリットと生産技術のポイント


多収には増肥が必須施肥方法など工夫を


 25年度の飼料用稲の作付面積は、飼料用米が4・6万㌶、稲発酵粗飼料用稲が4・9万㌶と前年に比べて大きく減少したが、需要を満たすためにも引き続き低コスト栽培技術の普及、規模拡大などによる一層の生産コスト低減を進める必要がある。


 生産コスト低減には多収栽培が重要で、飼料等向けとして多収品種が開発され、24年度には作付け割合が7割を超え、品種転換が進んでいる。多収には必要養分量の供給が基本で、慣行施肥より窒素成分で1・6~2倍量程度の増肥が必要である。特定の除草剤成分への感受性品種もあり、適正な農薬の選択、晩生品種に対応した灌漑水の確保、主食用米への混入防止、漏生(ろうせい)イネ対策などに注意を払う必要がある(参照=「多収品種に取り組むに当たって 多収品種の栽培マニュアル」・農水省・24年4月)。


 直播栽培は資材・人件費の削減、規模拡大や作期分散が期待できるが、適切な播種方式の検討、出芽苗立ちの確保、精密な水管理と適期防除による雑草管理がポイントになる。ドローンによる直播栽培も各地で取り組まれている。肥料費低減には、家畜堆肥などの活用、高窒素成分単肥の追肥利用、輪作の活用などが有効である。施肥法としては育苗箱全量施肥法、流し込み施肥、肥効調節型肥料の側条施肥法の導入が省力化に貢献できる。収穫・調製作業では、飼料用米の立毛乾燥が機械乾燥コストの低減に有効である。農地集積・団地化、作期分散による大規模化の推進による収穫機や乾燥施設の稼働率向上も有効である(参照=「飼料用米生産コスト低減マニュアル」・農水省・24年6月)。

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