【野菜病害虫特集】秋冬野菜の病害虫防除のポイント(虫害編)①

2026年08月14日
     
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 秋冬野菜では、高温の影響によりハダニ類やチョウ目害虫などの多発が懸念される。多発してからでは薬剤防除の効果が十分に得られにくい場合があるため、発生初期からの対応が重要である。本稿では、主要害虫に対する薬剤防除と抵抗性管理を中心に、圃場管理

 秋冬野菜では、高温の影響によりハダニ類やチョウ目害虫などの多発が懸念される。多発してからでは薬剤防除の効果が十分に得られにくい場合があるため、発生初期からの対応が重要である。本稿では、主要害虫に対する薬剤防除と抵抗性管理を中心に、圃場管理や天敵利用を組み合わせた防除のポイントを紹介する。


 奈良県農業総合研究センター 環境・病害虫防除 主任研究員 藤森 颯太


秋冬野菜で注意したい虫害と薬剤防除、発生初期に防除の徹底を


 気象予報では、7~9月の気温は平年より高いと予想されている。夏季の高温は、増殖の早いハダニ類などの多発につながるほか、秋のハイマダラノメイガの発生を助長する場合があるため注意したい。ハダニ類やアザミウマ類などの微小害虫は増殖が早いので、圃場内で密度が高まる前に防除することが肝要である。


 また、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、オオタバコガ、コナガ、ハイマダラノメイガなどのチョウ目害虫は、幼虫の齢期が進むと薬剤の効果が得られにくい傾向にある。特に結球作物では、幼虫が結球内に侵入した後の防除は困難である。さらに、ハイマダラノメイガはアブラナ科作物の生育初期に成長点付近を加害し、致命的な被害を及ぼすことがある。したがって、いずれの害虫も、多発前の発見と発生初期の徹底防除が重要である。施設栽培では、施設を閉め切るまでの間に害虫の侵入や定着を防ぎ、越冬個体数を減らすことも重要となる。


 殺虫剤で防除する場合、ハダニ類ではビフェナゼート、アシノナピル、フルキサメタミド、スピロジクロフェン、ミナミキイロアザミウマではフルキサメタミド、フロメトキン、ヒラズハナアザミウマではフルキサメタミド、スピネトラム、コナジラミ類ではピリフルキナゾン、シアントラニリプロール、ジンプロピリダズ、ワタアブラムシではフロニカミド、ピリフルキナゾン、ジンプロピリダズ、チョウ目害虫ではフルキサメタミド、ブロフラニリド、ダイコンハムシやキスジノミハムシではブロフラニリド、ジクロロメゾチアズなどの効果が概して高い。ハイマダラノメイガではシアントラニリプロールの灌注処理や粒剤処理も効果が期待できる。ただし、薬剤感受性は地域によって異なるため、薬剤選択にあたっては最新の情報収集に努めたい。


 殺虫剤抵抗性は、同じ系統の殺虫剤を繰り返し使用することで、集団内に少数存在する抵抗性の強い個体が選抜され、発達すると考えられている。そのため、防除薬剤の選択では、商品名だけでなく作用機構を示すIRACコードを確認し、効果の確認されている薬剤の中から異なる系統を組み合わせてローテーションすることが重要である。なお、農薬の使用にあたっては必ず農薬ラベルを確認し、登録内容を遵守(じゅんしゅ)する。


 ②につづく


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