省力化技術を活用し経営改善に取り組む経営者 その④



乾田直播で転作ローテ良好大型機械との相性バッチリ
作付けの約半分を占める乾田直播の意義は単なる省力化にとどまらない。
杉本農場では、同技術を麦・大豆による転作ローテーションの中核にも据える。代掻きをしない乾田直播により、圃場の排水性が向上、
乾田直播で転作ローテ良好大型機械との相性バッチリ
作付けの約半分を占める乾田直播の意義は単なる省力化にとどまらない。
杉本農場では、同技術を麦・大豆による転作ローテーションの中核にも据える。代掻きをしない乾田直播により、圃場の排水性が向上、後に続く麦作にとって極めて良好な土壌条件を形成する。実際、表面排水を重要と考え、水稲・麦・大豆の全ての作物に明渠を掘っており、乾田直播を作業工程の中核に据えることで、麦の収量・品質の向上につなげている。
このように乾田直播は単独の技術ではなく、土地利用全体を最適化する「結節点」として機能。水稲―麦―大豆という2年3作の輪作体系の中で、土壌の物理性改善、作業適期の確保、さらには機械作業の効率化を同時に実現する点に、その真価がある。とりわけ畔を徹底して抜いた大区画圃場は収量アップに結び付くと同時に、100馬力超の大型トラクター2基を軸にした播種や施肥・除草管理、収穫作業との親和性が高く、経営全体の生産性向上に直結している。
一方で乾田直播にはデメリットもある。雪解けの遅い地域や春先に雨が多く、なかなか圃場が乾かない地域では栽培の苦労が多い。杉本さんは「これほど圃場や気候状況に左右される技術はない」と話す。そのため、さまざまな場面を想定し、表面排水用の額縁明渠と圃場内明渠で備える。
新技術導入にも積極的地域の課題解決に一役
さらに、杉本さんは新技術の導入にも積極的だ。ドローン防除や生育診断技術の活用も視野に入れる。乾田直播によって整備された効率的な作業体系は、これらの先端技術とも結びつきやすく、今後のさらなる高度化の基盤となるだろう。 杉本さんの稲作経営は、乾田直播を軸に据えることで、従来の水稲中心経営を「複合的な土地利用システム」へと進化させている。その実践は、労働力不足や耕作放棄地の増加といった日本農業の課題に対し、有効な解決策を提示するものとして高く評価される。








