【畜産の伝染病対策】畜産現場における経営管理のポイント②
家畜伝染病が発生しやすい秋から早春にかけては、一層の発生予防・まん延防止対策が必要になる。そこで、家畜の衛生管理のポイントについて、東京大学名誉教授の眞鍋昇氏に解説してもらった。
遵守しよう飼養衛生管理基準
家畜伝染病は、従来の対策だけでは
家畜伝染病が発生しやすい秋から早春にかけては、一層の発生予防・まん延防止対策が必要になる。そこで、家畜の衛生管理のポイントについて、東京大学名誉教授の眞鍋昇氏に解説してもらった。
遵守しよう飼養衛生管理基準
家畜伝染病は、従来の対策だけでは十分に統御できない状況となり、⑴「家畜伝染病予防法」の厳格適用⑵埋却地確保と都道府県の動員体制強化⑶国際的な防疫連携(特にASF・HPAIの国際監視体制)の強化――などが見直されています。
農家は「飼養衛生管理基準」=写真1=を再点検して遵守し、患畜の早期発見に万全をつくすとともにワクチン接種、早期出荷、電気柵を用いた野生動物の進入防止などの現場で可能な対策を一つ一つ丁寧に実施しましょう。
適切な防疫措置を講じていれば、万が一発生しても「手当金」は満額支給されますが、不備がある場合は大幅減額となります。連絡・通報の遅れがないようにすることが最も大切です。衛生管理区域出入り口での車両の消毒や衣服・長靴の交換、家畜舎の出入り口での長靴の交換・消毒、手指消毒・手袋交換、野生動物対策(壁や天井などの隙間、防鳥ネットなど)の不備がある場合に大幅に減額されます。
持ち込まない、発生させない、広げない
一つ一つ丁寧に実施
⑴「持ち込まない」
(A)「衛生管理区域」
人間の生活空間と家畜を飼養している「衛生管理区域(家畜舎、堆肥舎、飼料倉庫など)」を区分し、立ち入った人物と家畜(導入・出荷・移動)を記録して1年間保管する。
(B)「消毒」
衛生管理区域に出入りする人物や車両を制限し(関係者以外は厳禁)、車両出入り口には消石灰を塗布して出入りの度に消毒剤を噴霧する。畜舎周囲にも消石灰を塗布し、畜舎の出入り口には踏込式消毒槽を設置して、出入りの度に消毒を励行する=写真2。
(C)「野生動物の侵入防止」
野生動物の侵入や排泄物の混入を防止するために畜舎の隙間をネットで覆う。
⑵「発生させない」
畜舎や器具類の清掃・洗浄・消毒を励行する。
⑶「広げない」
作業者は、伝染病の「特定症状」を熟知し、毎日家畜を丁寧に観察して「家畜伝染病28種類・届出伝染病71種類」の早期発見に努め、疑わしい場合は直ちに獣医師・家畜保健衛生所に連絡・通報する。
東京大学名誉教授 眞鍋 昇(京都大学農学博士)










