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特集

将来にわたる食料の安定供給をめざす~新たな水田政策の方向について~ その②

2026年06月26日
     
図2:麦・大豆の生産性向上支援(出典:農水省2026年6月)
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 業務用米に新たな支援 飼料用米・麦・大豆への支援

 新たに支援対象として追加されたのが「業務用米」である。外食や中食向けに使われる業務用米は、近年、輸入米との競合が強まっている。このため当面の間、単収向上などの支援が行われる。現場で反発の強

 業務用米に新たな支援 飼料用米・麦・大豆への支援

 新たに支援対象として追加されたのが「業務用米」である。外食や中食向けに使われる業務用米は、近年、輸入米との競合が強まっている。このため当面の間、単収向上などの支援が行われる。現場で反発の強かった「5年水張りルール」の要件は、27年度以降はなくなる。

 定額単価の支援であった麦・大豆=図2=については、適切な輪作体系や団地化を進め排水対策や多収品種の導入などの生産性向上を条件とし、収量に応じた単価での支援に変更される。都道府県別の単収を基準とし検討されており、非主食用米とともに条件不利地には厳しい仕組みとなる可能性がある。

 飼料用米は、生産性向上支援に加え、畜産農家との複数年契約などを条件とした上乗せ支援が行われる。しかし、需要量を30~40万㌧と見込んだことで支援対象が限定される可能性があり、飼料自給率向上や食料安全保障との整合性が課題となる。


 中山間直払い対象拡大も単価据置 セーフティーネット対策は不十分

 中山間地域等直接支払では、法面管理や圃場条件など傾斜によらない不利性を持つ農地にも支援対象を広げる。制度利用の拡大に向けたプッシュ型支援や個別協定の活用、多面的機能支払との一体的実施も進める。ただし交付単価の見直しは示されておらず、現場で使いやすい制度となるかが課題となっている。

 新たな環境直接支払交付金では、有機農業や土づくりなどを対象に、農法転換時の減収などへの支援に取り組む。一方、支援は最長5年に限られ、現場からは「有機農業は導入よりも継続の方が難しい」との声も出ている。

 さらに焦点となるのが、「セーフティーネット対策」である。米は長年、生産コストが販売価格を上回る「コスト割れ」が問題となってきた。しかし現行制度は販売収入を下支えする仕組みであり、資材価格や燃料費が高騰する中で、価格転嫁だけでは農家経営を支えきれないとの指摘も根強い。


今後への課題

 新たな水田政策では、現行以上の支援水準を維持できるのかが大きな焦点となる。支援対象は水田だけでなく畑にも広がるため、制度を支える予算の確保が不可欠である。これまで財務省は、水田活用の直接支払交付金の財政負担増を問題視してきた経緯があり、支援対象が拡大する新制度で十分な予算を確保できるのかが問われている。

 一方で、生産性向上を重視する制度設計が、条件不利地や中小規模農家を含めた多様な農業者の営農継続や地域の生産基盤の維持につながるのかも重要な論点である。今後は全国で開かれる地方説明会での意見を踏まえ、現場の実態に即した制度へ具体化できるかが問われる。

  

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