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特集

水稲中・後期の雑草防除のポイント①

2026年05月22日
     
畦畔近くに発生したヒレタゴボウ
クログワイ生育期
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有効な薬剤の適切な防除で高品質米の生産へ 

 水稲栽培における雑草防除は、かつては一発処理剤による初期防除でその大半を完結させることが理想とされてきた。しかし近年は、気候変動や耕種的条件の変化により、初期防除だけでは抑えきれない「取りこぼし雑

有効な薬剤の適切な防除で高品質米の生産へ 

 水稲栽培における雑草防除は、かつては一発処理剤による初期防除でその大半を完結させることが理想とされてきた。しかし近年は、気候変動や耕種的条件の変化により、初期防除だけでは抑えきれない「取りこぼし雑草」が目立つようになっている。とりわけ近年は、高温の傾向などにより雑草の発生時期が不安定となり、従来の防除体系では対応しきれない場面も増えている。

 中・後期の雑草防除で重要なのは、単に目の前の雑草を枯らすことにとどまらない。水田圃場の特徴や地域の環境条件を的確に把握し、それに応じた防除を行うことは、当年の収量や品質の低下を防ぐだけでなく、翌年以降の雑草種子や塊茎の形成を抑え、将来的な防除負担の軽減にもつながる。こうした長期的な視点に立った対応が、これまで以上に求められている。  

 公益財団法人日本植物調節剤研究協会 矢部 亮


草種特定と薬剤選択が鍵

 水田の雑草防除は一般に、移植後の早い時期、すなわち雑草発生前から生育初期に重点を置くべきとされる。この時期に適切な除草剤散布を行うことで、雑草管理の大部分を省力的かつ効率的に実施できるためである。  

 しかし、水田の条件によっては初期防除だけでは十分な効果が得られない場合がある。難防除多年生雑草が発生する水田、雑草の発生が長期間におよぶ水田、天候不順などで処理適期を逃した水田、あるいは漏水や水管理の不備によって除草剤の効果が低下した水田などがこれに該当する。このような圃場では、中・後期の防除を組み込んだ対応が不可欠となる。

 ここで最も重要なことは、栽培初期に防除しきれなかった雑草を、中・後期の段階で確実に防除しきることである。そのためには、まず圃場を精査して「どのような雑草が、どの程度残っているか」を正確に特定しなければならない。特定した草種に対して確実に効果を発揮する薬剤を選定することが防除の第一歩となる。その上で、選定した薬剤の適用範囲内で早めに処理することが肝要であり、雑草がまだ小さいうちに防除することが防除の成否を分ける鍵となる。  


取りこぼしを抑える 

 特にオモダカ、クログワイ、コウキヤガラ、シズイなどは、多くの生産者を悩ませる難防除雑草である。これらは種子だけでなく、土壌中の塊茎などの栄養繁殖器官からも発生する多年生雑草であり、初期生育が旺盛で発生期間も長く、さらに除草剤処理後の再生力が強いという特徴を持つ。  

 このため、初期防除のみでの完全防除は難しく、中・後期除草剤と組み合わせた体系的な防除が求められる。適期に追加処理を行い、取りこぼしを確実に抑えることが重要である。  

 難防除雑草に限らず、雑草の発生が長期化する要因は多岐にわたる。まず、圃場の条件が挙げられる。水持ちが悪く除草剤成分が土壌表面に保持されにくい水田や、もともと埋土種子量が多い水田では「ダラダラ発生」が起こりやすい。次に、気象条件や地域特性も大きく影響する。例えば、北日本では気温との関係からノビエの発生が長引く傾向があり、西日本では中干し期の落水条件によりアゼガヤの発生が助長される。  

さらに、ジャンボタニシ対策としての浅水管理はヒレタゴボウの発生を促す要因となる。このような圃場ごとの特性や地域の傾向を把握することが、中・後期防除の精度向上に直結する。

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