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【暑熱対策特集】猛暑時代の酪農経営~乳用牛の暑熱対策は『夜』が勝負~②

2026年07月03日
     
図2 暑熱対策導入フローチャート(優先順位)
図3 牛舎屋根への断熱材の有無による夏期の乳量減少率(%)
図4 断熱パネル導入前後の牛舎内温度分布(外気温30℃以上)
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 今夏も猛暑の予想が出ており、安定的な生乳の生産には乳用牛の暑熱対策の重要性が一層高まっている。そこで、乳用牛の繁殖低下防止対策について、北里大獣医学部の鍋西久氏に解説してもらった。


暑熱対策は優先順位が重要、日光の遮断や断熱、換気カギ


 暑熱

 今夏も猛暑の予想が出ており、安定的な生乳の生産には乳用牛の暑熱対策の重要性が一層高まっている。そこで、乳用牛の繁殖低下防止対策について、北里大獣医学部の鍋西久氏に解説してもらった。


暑熱対策は優先順位が重要、日光の遮断や断熱、換気カギ


 暑熱対策には優先順位があります(図2)

 

 第1は、直射日光対策です。西日や照り返しを含めて牛舎内に日射が入る場合は、寒冷紗や遮光資材などで遮ることが重要です。


 第2は、屋根の断熱です。特に古いスレート屋根では、日中に蓄積した熱が夜間まで残り、牛舎内温度が下がりにくくなります。断熱材の設置や遮熱対策は高い効果が期待できます。


 第3は、牛舎の換気です。朝一番に牛舎へ入った際、ムッとした暑さを感じたり、THIが高かったりする場合は、夜間換気が不足している可能性があります。換気経路や換気扇の配置を見直すことが重要です。


 第4は、牛への送風です。ファンの能力や向きを確認し、十分な風が牛体に届いているかを確認してください。換気扇の清掃だけでも改善する場合があります。

 

 近年は細霧装置やソーカーシステムなどの高度な暑熱対策技術も普及しています。これらは確かに有効ですが、基本的な環境改善ができて初めて十分な効果を発揮します。まずは日射対策、断熱、換気、送風の四つを優先して見直すことが重要です。


断熱対策は費用対効果高い、屋根の断熱で乳量低下小さく

 

 私たちの調査では、屋根に断熱材を施工した牛舎では、断熱材のない牛舎と比較して夏季の乳量低下が小さいことが確認されました(図3)。また、青森県内の酪農家で断熱材パネルを導入した事例では、夏季の日中における牛舎内温度の上昇が抑制されました(図4)


 その後の調査では事故頭数の減少や乳量改善も確認されており、断熱対策の高い費用対効果が示されています。大規模な設備投資を検討する前に、まずは牛舎の屋根や換気環境を見直すことが重要です。補助事業を活用する際にも、優先順位を意識した対策が求められます。


③へ続く

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