【ウンカ特集】見つかりにくく、秋に牙をむく~トビイロウンカはどこにいるのか~①

2026年08月28日
     
飛来直後に寄り集まったウンカ類(セジロウンカ群中に確認されたトビイロウンカ)
図1 梅雨前線と低気圧による飛来環境の例(気象図)
図2 ウンカ飛来予測図
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 最近、本土ではトビイロウンカによる大きな坪枯れを見る機会が少なくなりました。若い普及員や営農指導員の中には、坪枯れを実際に見たことがない方もいるかもしれません。しかし、トビイロウンカがいなくなったわけではありません。むしろ、この虫の本当の

 最近、本土ではトビイロウンカによる大きな坪枯れを見る機会が少なくなりました。若い普及員や営農指導員の中には、坪枯れを実際に見たことがない方もいるかもしれません。しかし、トビイロウンカがいなくなったわけではありません。むしろ、この虫の本当の怖さは「見えないこと」にあります。飛来したときの密度は低く、圃場の中にまばらに落ちるため、発生初期にはたいへん見つけにくい害虫です。ところが、気付かれないまま定着した個体は、その場所で世代を重ねながら増殖し、秋になって初めて坪枯れや反枯れとして姿を現します。トビイロウンカとは、そんな害虫です。


元鹿児島県農業開発総合センター 生産環境部長  井上栄明


前線に乗って日本へやって来る


 トビイロウンカは、セジロウンカやコブノメイガと同じ海外飛来性害虫です。ベトナムから中国華南、華中へと北上し、その一部が梅雨前線や低気圧の活動に伴って日本へ運ばれてきます。


 私たちは「飛来」と呼びますが、実際には自分の意思で日本へ向かうというより、前線に乗って運ばれ、どこかの水田へ降り立つと言った方が実感に近いかもしれません。


 飛来は一度とは限りません。条件によっては何度も飛来します。だから、ある時期に見つからなかったからといって安心はできません。


見つけにくい害虫


 セジロウンカは飛来すると比較的目につきます。ところがトビイロウンカは違います。飛来数そのものが少なく、圃場内でも極めて低密度です。圃場全体を見ても、どこにいるのか分からな  

いことが珍しくありません。


 私自身、長年ウンカを見てきましたが、「いるのか、いないのか分からない」、そんな状態から始まることがほとんどでした。


 そして秋口になり坪枯れが現れる。そのときになって、「そこに居やがったのか!」となるのです。


 ②につづく

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